今日は和食プロネットが無料で配信している「料亭料理長が教える湯気 香り 音で見極めるふっくら美味しい土鍋ご飯の炊き方」をまとめた動画をご紹介したいと思います。
この動画では土鍋でのご飯の炊き方を説明します。
土鍋で炊くというと難しそう、手間が多そうと思うかもしれませんが やってみると意外と失敗しにくく少々焦がしても鍋底以外はふっくら炊けますし、 工程もそんなに多くありません。
明確なレシピに沿って炊くというよりも、 時間を測らなくても炊け具合を五感で掴み ふっくら美味しいご飯を炊く方法を説明実演しています。
▼目次
【土鍋の歴史】
縄文時代、 縄文土器がそのルーツと言われています。
それまでは狩猟を行い生肉を主食としていましたが、 野菜も食べるようになり調理をするようになり、 保存や調理道具として開発されたのが土器です。
平安時代 当時一般的だった鉄製の鍋に対して、 土の鍋を指す土鍋という言葉が生まれました。
江戸時代 調味料も多く使われるようになり、 現在と同じように鍋物や煮込み料理で土鍋が使われるようになります。
昭和時代 1950年代になると土や釉薬にリチウム鉱物のペタライトというものを 加えて作った熱に強く割れにくいリチア系耐熱陶器製の土鍋が 量産されるようになり一般家庭へ普及して現在に至ります。
【土鍋の主な生産地】
三重県四日市(萬古焼) 国内シェアおよそ8割で、土の半分近くがリチウム鉱石で 耐熱性に優れていて陶板焼きなど空焚きにも使えます。
三重県伊賀市(伊賀焼) ここは昔琵琶湖の一部で、その地層から取れる土は 高い耐熱性以外にも遠赤外線効果が強いことが特徴です。
【新しい土鍋の目止め】
新しい土鍋でいきなり味付きの調理をすると その味が土鍋に染み込んでしまい取れなくなります。
また穴が空いていて強度が弱く大きなひび割れを引き起こします。
そうならないようにまず最初にお粥を炊くという方法です。
8分目までのお湯を沸かし、 そこに炊いたご飯を入れて弱火でゆっくりと炊きお粥を作ります。
できたら火を止めそのまま冷めるまでおいておきます。
土鍋は保温性が高いので1時間程度は放置します。
お米のでんぷん質が穴を塞いで強度を高めてくれます。
【料亭 ゆう月のお米について】
ゆう月で使用しているお米は地元京都府綾部市の中でも福井県に近い山間部、 冬は雪深く、雪解け水が豊富、な環境で育つ、100%京都米コシヒカリです。
特徴としては甘み粘りも強くつや香りもいい全国的にメジャーな品種です。
【ご飯を炊く】
ー研ぐー
お米を大きめのザルに入れボウルと重ねます。
お米は乾燥した状態なので研ぎ始めると同時に一気に水分を吸収していきます。
そのためまず最初に水と一緒に糠や汚れを米に吸わせないように 手早く混ぜて一気に水を捨てます。
2回目以降は徐々にとぐ時間を長くして5回ほど繰り返します。
昔は押しつぶすようにまさに研ぐというのが一般的でしたが、 現在では精米技術の向上で糠もキレイに取り除かれているので 研ぐというより洗い流すというイメージの方がわかりやすいでしょう。
ー吸水ー
ザルとボウルのまま浸るぐらいに水を入れて20分おいておきます。
一般的には夏場30分、冬場1時間というのが給水の目安とされてきていますが 私が毎日のように土鍋でご飯を炊いている感覚で言うと 夏場冬場の時間差は不要で、年間を通して一律20分で大丈夫です。
長くても冬場は30分ぐらいで問題ないです。
理由は2点、
・お米が保管されている場所も含めて私たちの生活環境が快適な温度で保たれているということ
・冬場は秋に収穫して新米に近く水分が多いと言うこと
もちろん例外もありますが目安の一つとして覚えておいてください。
ー水切り 土鍋セットー
吸水ができれば一度水をしっかり切ります。
ここで水分が残っているほど水加減が変わってくるのでしっかり切ります。
お米と水の割合は米1合に対して水200ccです。
合数が増えるごとに単純に水の量を増やします。
土鍋にお米を入れ水を入れます。
内蓋をして外蓋をしますがこの時に蓋の穴に注意します。
内蓋には一般的に2つ穴が空いており、外蓋には一つ空いています。
蓋をする際に上下の穴が真っ直ぐ重ならないように蓋をすることで、 鍋の中に圧力状態を作ることができよりふっくらと炊くことができます。
ー炊く 蒸らすー
一般的なガスコンロなら強火、業務用なら中火にかけ、 沸騰して湯気が出てきたら弱火に落とします。
湯気がどんどん勢い良くなり10分程度で湯気が衰えはじめます。
これで水分が引いてきた状態なので、 ここから湯気の衰え方を見て、 上がってくるご飯の甘い香りを嗅ぎ、 耳をすませてプツプツという低い音が聞こえたら火を止めます。
甘い香りと一緒に焼けているような匂いが少しでも感じたら炊き過ぎています。
最初この感覚が分からなければ一瞬蓋を開けて炊け具合をみてもいいです。
表面の水分のプツプツがなければもう十分です。
熱が抜けすぎるので確認は一瞬だけにしてまた蓋をします。
火元から離して15分程度蒸らし、鍋底から返して全体に均等に空気をふくむように混ぜます。
これで炊き上がり。
【まとめ】
この動画では目鼻耳で感じ取る抽象的な説明になっていますが、 繰り返す中で料理人として 五感で自身の感覚を身につけてもらいたいと思い このような説明をしました。
レシピを見れば一定のクオリティのものを作ることはできますが、 そこで満足してはそれ以上の高品質のものを作り出すことはできません。
だから料理人は自分の五感を駆使してレシピの上をいく感覚を養う必要があります。
キッチンタイマーも時計も見なくても1から美味しいご飯が炊ければ 素晴らしい感覚を身につけることができます。
そしてその感覚は他の料理にも生かすことができ 料理の上達が飛躍的に進むと思います。
【時間を明確にした手順】
① お米をボウルとざるで6回研ぐ
② 20分間水に浸ける
③ 5分間水を切る
④ 土鍋に米と水を入れて火にかける
⑤ 沸騰したら弱火にして12分炊き火を止める。
⑥ 火から離して15分蒸らして混ぜて完成。
【炊飯用土鍋】
伊賀焼窯元 長谷園 かまどさん https://www.igamono.co.jp/product/kam...
炊飯土鍋 二重蓋 四日市ばんこ焼(日本製) www.amazon.co.jp/dp/B008CL74QC
【綾部むすび】
綾部市の米生産者(直接購入可)がわかります
そのほかにも農家民宿やおむすびを提供している市内の飲食店を見ることができます。
和食プロネットについて
和食プロネットは、プロの和食料理人を目指す人のための定額制技能習得システムです。
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1.会席料理の動画実技講座 年間36本のレッスン動画を定期的に受け取り自身で練習する教育メソッドです 。
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会席料理大学和食プロネット代表 兼 料亭 ゆう月 会席料理人
通山 直人 (とおやま なおと)
1979年京都府福知山市生まれ
2002年 大学在学中にアルバイトでホテルの調理場へ
2002年 卒業と同時に正社員として和食部門で勤務開始
2005年 料理長として料亭 ゆう月を営業開始
2014年 生け花を始め店内のプロデュースを開始
2016年 サイト・SNS・パンフレットの写真撮影を開始
2019年 動画制作・YouTubeチャンネル本格運用開始
料亭 ゆう月
京都府綾部市にある完全予約制の会席料理店です。
丹波の素材、京野菜、山陰 若狭の魚介を使った
◇季節の会席料理
◇鍋料理
◇筍・鮎・松茸・蟹のフルコース
◇バーベキュー料理
◇デリバリー テイクアウト料理 をご提供中!!
ご利用シーンは…
・ご家族での長寿のお祝い(還暦 米寿 など)やお子様の成長祝い(お宮参り お食い初め 七五三)
・御婚礼に感ずるお祝い(顔合わせ 結納 披露宴 結婚記念日 金婚式 銀婚式)
・法事(49日 初盆 一周忌 3回忌)
・忘年会 新年会 歓迎会 送別会 などなど
【関連サイト】
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